横振り刺繍の奮闘記 Vol.2

投稿日:2025年10月05日 更新日:2025年10月07日    

横振り刺繍ミシンの練習

【奮闘記】横振り刺繍に挑む!独学で掴んだ「スピードとコントロールのコツ」

少し間が開いてしまいましたが、横振り刺繍の奮闘記の続きをお届けします。

この半年間、教室の運営や e-ラーニングの準備もあり、メインのハンドルミシンに触れることが圧倒的に多かったため、実は横振り刺繍ミシンを触ったのは3時間もないかもしれません。正直なところ、少しサボっていましたね(笑)。

しかし、ハンドルミシンの時と同じく、横振り刺繍も独学でどこまでできるかに挑戦中です。今は誰かに直接教わるというよりも、イメージトレーニングと試行錯誤の日々を送っています。

独学の鍵は「イメージトレーニング」と「海外チュートリアル」

横振り刺繍に関しての学習は、特に海外の方のチュートリアル動画が非常に参考になりました。そのため、実際にミシンに触れていない期間も、頭の中では「こう動かすんだろうな」と、日々イメージトレーニングは積んでいたと思います。

※動画で独学で進めていく事を推奨している訳ではありませんので、悪しからずご理解ください。

前回の記事でご紹介した「枠を固定する刺繍」と「枠を動かす刺繍」に加え、横振り刺繍の奥深さは「枠を回転させる」という動作もわずかに入ってくる点です。

これを文章で説明すると、「1針目が布に入った後、2針目が刺さる前に枠をわずかに回転させれば角度がつく。枠を動かす動きと、枠を回転させる動きを連動させることで、放射状の美しい縫い目が表現できる」ということになります。

ここら辺の技術的なことや刺繍そのものの仕組みは、僕が既にジャガード刺繍をしていたからかと思います。恐らくいきなり横振り刺繍をしていたらこうようなアプローチになっていないと思います。

頭では理解できても、実際にやってみるとなかなか難しい。この難しさには二つの原因があります。一つは「単純な慣れや練習不足」。そしてもう一つが「何が原因か分かっていない」という状態です。

壁を破った!「針と枠」のスピード連動の重要性

現在、僕が集中的に練習している「枠を動かして刺繍していく」動作の中で、後者の「原因不明の難しい」の正体が先日ようやく分かりました。実際はなんとなくは分かっていましたが(笑)

それは、「針の落ちるスピード」と「枠を動かすスピード」が連動していないから、という非常にシンプルなものでした。考えてみたらそうですよね。

ミシンが「タンタンタンタン」と一定のリズムで針を落とすスピードに対し、

  • 枠を動かすスピード
  • 一針ごとの動かす距離

これらが完全にマッチしていれば、理論上はどこまでも滑らかで綺麗な刺繍になるはずです。

突然訪れる「コツを掴む瞬間」

ハンドルミシンの独学をしていた時もそうでしたが、この種の技術は「コツを掴む瞬間」が突然やってきます。

個人的にはこの瞬間というのは、イメージと現実がシンクロした時と勝手に思っています。ハッと思うにはまずイメージがないと、その瞬間が来てもハッとしないから、だと思っています。

ここ数日、この「スピードのマッチング」を重点的に意識して練習したところ、急にコントロールできるようになりました。以前よりも明らかに意図した線を描けるようになっています。これは、ある程度の経験値が積み上がったことで、最初の大きなハードルを一つクリアできたということだと思います。

実際に、コントロールできるようになった感覚を試したのが、トップの画像の花びらです。

花びらの形を描き、その中をストレートステッチで埋めていくグラデーション刺繍に挑戦しました。横振り刺繍特有の、糸が重なり合って色調を変化させるグラデーションの仕組みは理解していたので、あとはイメージ通りに手を動かしてみました。結果はまずまずといったところでしょうか。

次なる課題:糸の選択と確実な角度表現

今回の仕上がりを見て、更なるクオリティアップには以下の点が課題だと感じました。

  • 単純に糸の選択に気を使うこと。
  • 花びらの先端など、細い部分での角度表現。

特に花びらの先端のように細くなる場所を美しく仕上げるには、横から刺繍していった場合、「1針目を上から刺し、2針目は外側から内側へ枠を動かし、微妙に角度を付けていく」という操作が必要だと予想しています。これは、ジャガード刺繍(工業用刺繍)などでも同様の考え方をするため、おそらく正しいアプローチでしょう。

きちんと綺麗なグラデーションになるような糸を選び、正確に角度を付けて刺繍できれば、クオリティは格段に上がりそうです。

次回は、今回のようなパーツではなく、もう少し大きな刺繍に挑戦してみるつもりです。またご報告しますので、ぜひ楽しみにしていてください!

この記事を書いた人

渡邉 太地(Taichi Watanabe)

Rainbow Adventure Design代表

1979年5月26日生まれ。レコード会社勤務を経て、Rainbow Adventure Designを起業。2024年刺繍製品に特化したRainbow Adventure Embroideryを設立。

プライベートでは愛犬のゴン太(パグ)を溺愛している。

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